第13章 砂の里—我愛羅—
「じゃあ夜叉丸さんが帰ってくるまで、すこしお話ししよう」
「まてまてまて」
「なに・・・ですか。ルウさん」
「俺の疑問に答えてもらってねぇっての、しかもミユキ知ってんだろ。それと、俺に敬語使いたくないんなら使わなくていいから!」
特に一息でいったというわけでもないのに、はあはあと息を切らしているルウさん。
めんどくさいな。
ってか敬語。
今まで敬語にしてたんだよね、一応。
ま、敬語じゃなくてもいっか。
「ルウさん。世の中には知らなくていいことがたくさんあるんだよ」
「は?」
「人の過去を安易に知ろうとするのは、マナー違反。相手と心の交流を図ってから聞かなきゃ」
「・・・・・・よくわかんねぇ」
あらら。
思った以上に理解力がない。
説明してあげる義理はないから、説明はしないけど。
さてーわたしは我愛羅さんとお話しよー、と思って我愛羅を見たら、驚いたような、どこか怯えているような、そんな表情をした彼と目が合った。
え、この短い間に何があったと!?
さっきまでそこそこいい雰囲気を醸し出す表情をしてたのに。
「えっと、我愛羅どうかした?」
なだめるような口調でわたしがいうと、彼はびくっと体を震わせた。
これじゃあ、あったときに逆戻りだ。
せっかく良くなってたのに、どうしたものかなぁ。
・・・
ま。いいや。
強引に話を続けよう。
「さっきも言ったけど、わたしの名前はミユキ。木の葉・・・火の国出身だね。あ、火の国ってわかる?って言ってもわたしも説明できないんだけど、地図とかない?ない?じゃあその話はまた今度。半分うちは一族の血が流れててーーーー「ちょっとストップ」・・なにさ、ルウさん」
わたしの自己紹介邪魔すんな、という意味を込めて睨む。
「こいつ、お前の言葉ほとんど理解してないぞ」
「え?」
「難しいこと言い過ぎだ。相手は4歳児だ考えろ」
・・・やっちゃったよ。
なんとなく知ってる前提で話してたけど、ぜったい分からない単語とかあったよね。
というかそれより。
ルウさんに考えろとか言われたことの方が気にくわないんですけど。
「お前なんか失礼なこと考えてるだろ」
・・・前も思ったけど、ルウさんって時々鋭いよね。