第12章 砂の里—四代目風影—
内心ものすごくどきどきしながら、風影様の声を待った。
長く、短い、時間が経った。
「いいだろう。好きなだけ近づけ」
身体が活動を停止した。
はっきりいって勝算はなかった。
印象は最悪。
言葉使いは丁寧にしたはずだが、挑発をしてしまっては、それすら、見下しているように聞こえていた可能性もある。
重要な第一印象をわたしは落としたはずだが、どうしたことだ。
何故。
そればかりが頭を占める。
そんなことをぐるぐると考えていたら、いつの間にか風影様の部屋を出ていた。
ルウさんに至っては、何故か部屋の鍵まで持っていた。
風影様にもらったらしい。
すごく納得できない。
わたしは、風影様を怒られたはずだ。
なのになんで近づく許可を?
しかもわたしは結界が使えるって、風影様自身が言っていた。
もしわたしに結界とか使われたら、我愛羅を始末したい風影様にとって不利になるんじゃあないの?
いやわたしにとっては好都合なんだけど。
ちょっとね・・・こううまくいくと裏があるのかと勘ぐってしまうというかね。
ま、いい。
何はともあれ、無事、我愛羅に近づく権利を正式に得た。
これで、少しは未来が変わることだろう。
そういえば、里への違法侵入みたいなのは罪に問われないかな?
大丈夫か
なんたって、風影様に部屋をもらったんだからね!