第12章 砂の里—四代目風影—
風影様が敵意を向けなくなったことに対して半ばあきらめを覚えつつ、片膝をついて恭順の意を示す。
「今回はお願いがあって参りました」
風影様は、そんなわたしに目を見張ったようだった。
しかしそれも一瞬で、すぐに真剣な表情に戻る。
「願いか。・・・いいだろう、話せ」
「はい。お願いというのは我愛羅さんのことです」
「・・・我愛羅だと?」
わたしは鷹揚に頷いた。
わたしの考えはこうだ。
まず、我愛羅に近づくために、風影様に接触。
ここはオーケー。
次に、どうにかして風影様に、我愛羅に近づく許可をもらう。
ここが難解。うむ。
我愛羅が一尾を制御するための手伝いを申し出る、というのも考えたんだけどね。
うーん、わたしに制御の手伝いが出来るかどうかが疑問でさ。うん。
根拠ないしな。
やっぱり直球で行くしかないか。