第12章 砂の里—四代目風影—
しかし
わたしの予想は大きくはずれ、わたしたちは無傷で生き残った。
よく分からないが、わたしたちに当たる前、飛んできたそれが、何かにはじかれたように翻ったのだ。
これには風影様も驚いたようだった。
暗くて表情までは分からないが、「ほう」と感心したようにつぶやくのが聞こえた。
てか、なにこれ・・ルウさんがやったの?
そう思ってルウさんを見るけれど、彼も首を振って否定している。
となると、なんだろうこれは。
第三者の仕業だろうか。
わたしたちを守ってくれたわけだから敵ではない、・・・と信じたい。
そもそもどうやってはじいたのか。
ここの近くに人の気配はなく。
木の葉の里で言う、暗部——隠密みたいなもの——の皆様も、全員夢の中であるはず。
第三者・・・いる可能性の方が低い気がする。
他には・・・・
「ふむ。これは見たことがある。たしか・・・・結城一族、だったか」
唐突に風影様がわたしの一族の名を口にした。
え?結城一族って有名なの?
結構マイナーな奴だと思ってたんだけど・・・知る人ぞ知る!みたいな。
「術者は、最初の攻撃を躱した少年・・・ではないな。そっちの少女か」
な、なんと。
風影様は・・・わたしがこの術を発動したと言っているのか。
というか風影様の攻撃防いだやつって結界だったんだ。
しかもルウさんまで「やはりミユキか」とか言ってるし。
あれ、わたし無意識に結界つくっちゃったとか?
まさか!
ここでもチートという名の才能が!
「で、結城一族が何の用だ。お前らは木の葉の人間だろう」
と、風影様は驚くわたしをよそに、先ほどまでこちらに向けていた敵意を霧散させた。
これにわたしは、見たことがあるなぁ、と感じる。
アドさんの時も、ルウさんの時も。
みんなしてわたしをなめすぎだ。
そりゃあわたしは6歳児で、大人の足下にも及ばないかもしれないが、強くはなっている。
なんていうか、プライドが傷つけられる。
前世では結構名が知れててね・・・・ってそれはどうでも良くて。
つまり、もうこの展開は飽きたってこと。
ま、もういいよ。あきらめる。