第12章 砂の里—四代目風影—
納得半分、疑問半分、複雑な面持ちでいたら、いつの間にかルウさんが立ち上がって、服についた砂を払っていた。
「情けないとこ見せてごめんな。風影のとこ行こうぜ。方角教えてくれんだろ?」
そんな笑っているのか泣いているのか、何とも言えない表情のルウさん。
それにわたしはおかしいと思っていたことなど忘れて、思わず声をかけていた。
「嫌わない」
「え」
「わたしはルウさんを嫌わない。大好きだよ」
って、あああぁ!
何言ってるんだわたし!
これじゃあまるで告白だよ!
I love you !
そのまんまじゃけええぇ!
おおお落ち着けわたし。
これは、loveではなく、like。
I like you、というわけなんですよ。ええ。
・・・・・・
ひとりで何言ってんだろ。
むなしい。
むなしいよぉ。
心の中で意味不明な弁明をしながら、恥ずかしさを隠すようにわたしはルウさんの手をつかんで歩き出した。
歩き出したわたしのうしろで、すんすんと鼻をすする音が聞こえた気がしたが、それは気づかなかったふりをしておくことにする。