第14章 ツアーラスト公演
Just For You…。
切ない歌詞が今の私の心には痛いほど突き刺さる。
感情を込めて歌う涼介の姿に涙した。
時折、私を見てくれた。
知ってたんだね、私がいる事。
周りのファンが手を伸ばしたので、私も涼介に触れたくて手を差し出した。
すると涼介はしゃがんで私の手に触れてくれた。
周りの子たちは大騒ぎだった。
いつぶりだろう。
涼介に触れたのは…。
涼介は自分のパートじゃない時、口パクで私に『愛してる。』と言った。
こんな私なのに、涼介はまだ私を愛してくれている…。
涙が止まらなかった。