第12章 交差する想い
体は有岡くんの方へ向かされた。
大「やっぱ俺、愛湖の事、諦めらんねぇ…。」
愛「そんな事言われると…どうしていいか…。」
大「困らせてごめん。一回振られてんのにね、俺。」
こんな一途に想ってくれたら、誰だって少しは心が揺れると思う…のは私だけかな。
いつから恋愛にだらしなくなったのかな。
愛「私だって…有岡くんの事、気になってないわけじゃないよ?」
何を言い出してるんだろう…。
涼介ともう一度話すって決めたのに。
大「え?」
愛「あっ、えっと…何でもない!」
急いで訂正したものの、有岡くんは聞き逃しているはずもなく、私を強く抱きしめた。
大「少しでも俺の事、想ってくれてるなら嬉しいよ。」
愛「///」
抱きしめてくれた有岡くんの体が温かくて、すごく安心して、力が抜けた。