第12章 交差する想い
そのままベッドへ連れて行かれたけど、その後の記憶がない。
病み上がりだったのと、有岡くんの体温が心地良くて眠ってしまったみたい。
目が覚めると有岡くんは隣で寝ていた。
そっと有岡くんの頬に触れた。
大「んっ…?愛湖?」
愛「ごめん、起こしちゃったね。」
大「体調どう?」
愛「あ、うん。だいぶいいよ。ごめんね、寝ちゃって。」
時刻は0時を廻っていた。
大「お風呂、借りちゃった。」
愛「うん。遠慮なく使って?私も入って来るね。」
お風呂を済ませて部屋に戻ると有岡くんは眠っていた。
しばらく有岡くんの寝顔を眺めていた。
─自分の気持ちを整理しなきゃ。
中途半端な気持ちのままなんて、皆に迷惑だ。
でも…。
今、一番近くにいるあなたの側で甘えたい。
私は眠っている有岡くんの隣に潜り込み、抱きついて目を閉じた。
大「愛湖?どした?」
愛「このまま寝たいの。いいかな…?」
大「ん。当たり前。」
有岡くんは私の頭にそっとキスを落とし、優しく抱きしめてくれた。