第12章 交差する想い
家に帰ると電話が鳴った。
─着信:有岡くん
愛「もしもし?」
大『具合、どう?』
愛「だいぶ良くなってるよ。」
大『良かった。今日から誰か行く事、聞いてる?』
愛「うん。」
大『今日は俺が行くから。』
愛「わかった。」
日が沈み始めた頃、有岡くんはやって来た。
愛「わざわざごめんね?」
大『何言ってんだよ。俺は愛湖に会えて嬉しいのに。』
愛「私も嬉しいよ?ありがとう。」
コーヒーを出そうとキッチンに立っている私の後ろに立つ有岡くん。
後ろからギュッと抱きしめられる。
愛「えっと…有岡くん?」
大「ずっとこうしたかった…。」