第9章 会えない時間
薮「部屋…行こう。」
皆で寝ているこの場所はリビング。
私は抵抗する事もなく、薮くんについて行く。
薮「何か…あいつら呼んだ意味ないな。結局、俺、手出そうとしてる…。」
ベッドに座った彼は、そう呟いた。
愛「私、皆と一緒だと心強いよ?」
薮「そっか。」
隣に座った私の頭を優しく撫でる薮くん。
そのまま腰に手を廻し、抱き寄せてキスをする。
薮「愛湖…ごめん。一回だけ…。山田に重ねていいから…。」
愛「ん…。」
涼介に重ねていい、その一言で私は薮くんに体を許す事になった。
愛「ん…やぁっ…。」
薮「ごめっ…やっぱ嫌だよな…。」
首筋、胸元にキスをして、薮くんは言った。
愛「嫌…じゃない。何か…その…久々で…。」
薮「大丈夫。優しくする…。」
そう言うと再び胸へ顔を埋めた。