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【6月合同企画】雨より飴を希望します

第4章 黒子のバスケ/高尾 和成






「今日はリアカー、無いんだね」


「雨だと流石にな、2人共濡れるし」


「屋根を付ければ良いだろう」


「どーせ漕ぐ方には付けねぇつもりだろ」


「無論だ」



高尾は緑間の言い分に怒ってはいないようだったが、反論を言っていた。

そもそもチャリアカーは道路交通法で違反になるはずなのだが…なぜ何も言われないのがすごく疑問だ




「俺はこれから明日のラッキーアイテムを買い行く
お前らは先に帰れ」


「うっわー…失礼な言い方…また明日な、真ちゃん」


「バイバーイ」



緑間は骨董品屋さんなど、珍しいお店が並ぶ通りへと繋がる道を曲がっていったため分かれた

高尾くんと2人っきりという空間を意識すると心臓がものすごく速く動いているのを感じた




「…雨、やっぱ嫌いだわ」


「私は結構好きだよ
雨に濡れるのも、ふざけるのも、高尾と一緒なら」


「!!」


「…あ」



思いっきり自分で心中を暴露してしまった。と後悔し、手から力が抜けて持っていた傘が落ちた

高尾はどう捉えたんだろう。と思って彼を見ると、赤い顔の下半分を手で隠すように覆っていた

予想外の反応に思わず両思いなのではないかと思い込んでしまっても良いのだろうかと、1人で舞い上がった




「…あー、今ので雨が一気に好きになったわ」


「…それって、」


「名前ちゃんのこと、好きっつーこと」


「た、たたた高尾!」



勢いに任せて高尾に飛び付くと彼の学ランが一瞬にしてかなり湿ってしまった

だけど、高尾はそれを嫌そうにはせず笑って対応してくれた


「あーあービショビショじゃねーかよ…」


「高尾も濡れて帰ろうよ!結構楽しい!」


「…おう!」



手を差し出すと、高尾は傘を閉じて手を繋いで2人濡れて、ビショビショになって帰った

少しでも高尾が、雨を好きになれますように










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