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【6月合同企画】雨より飴を希望します

第9章 黒子のバスケ/虹村 修造




「ほらよ」
「ありがと…大丈夫だった?」
「やっぱあいつ予備のやつ持ってたよ」
「ならいいか、ありがたく借りよ」

 ちょっと待ってて。と虹村に告げて苗字は女子更衣室の中に入っていった。
 しばらくすると彼女は少し大きい男子用の体操着を来て出てきて、虹村から荷物を受け取った。

「この体操着の持ち主…赤司くんって言うの?」
「おう、現バスケ部の主将だ」
「今日その赤司くんに会いに行ってもいい?
お礼、したい」

 虹村は少しだけ悩んだような素振りを見せたがのだが素振りだけでは済まず、そのうち頭を抱えて悩み始めた。
 だが最後には分かった…と小さく呟いて、放課後彼女をバスケ部に連れていくことを約束した。

「本当は俺のを貸したかったんだけどな」
「でかいよ」
「だから赤司の借りてきたんだろーが」
「へー…これ、何かすごい良い匂いする」
「…ッチ」

 虹村は小さく舌打ちをしたが、苗字はそれに気づかずに乾燥機の中へと自身の制服と体操着を入れた。
 その後クラスの違う虹村と分かれ、のんびりと教室へと入っていった。



▽▽▽▽▽▽



「…体操着ありがとうございます」
「虹村さんから頼まれた時は驚きましたが納得しました」
「あいつなら予備持ってるって行ったので…持ってるようで安心しました」
「こちらこそ、苗字さんが風邪引かなくて良かったです」

 放課後、彼女は約束通りバスケ部へとやって来ていた。苗字は赤司を見つけた瞬間に顔の美しさに戸惑いを見せた。
 だが虹村が彼女のことを紹介して少々会話を交わすとすぐに打ち解けており、虹村は良い顔はしていなかったが安心はしていたようだった。

「…ッチ」
「虹村さん」
「うぉあ!あ、赤司…何だよ、苗字は?」
「桃井と仲良くしてます」
「そうか…何の用だよ」
「苗字さんに告白しないんですか?」
「なっ、」
「多分、上手くいきますよ」

 そう言って他のメンバーがいる方へと歩いて行った赤司を見つめてから虹村は告白すっか…とポツリ呟いた。
 彼が体育館の出入口から外の様子を見ると、最初から雨は降ってなかったかのように綺麗に晴れ渡り虹が架かっていた。

 その後彼らがいる上手くいったのかは、恐らくご想像の通りだろう。








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