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【6月合同企画】雨より飴を希望します

第8章 黒子のバスケ/赤司 征十郎






「今日の1on1も勝てなかったッス!」


「お前じゃまだまだ何だよ黄瀬」


「でもまあ、成長速度は速いのだよ」


「とりあえずおかし…」


「紫原くん、もう少し待ちませんか?」



バスケ部は体育館部活のため雨はそこまで影響はないと言えば嘘になる。確かに野球やサッカーなど、その部活は雨の日は大変だろう

だがバスケ部も外周が無くなってしまうため、少々練習が甘くなってしまうことがあるのだ

その改善の余地を探しながらチームメイトと共に昇降口まで来ると、1人の女子を見つけた




「そこで何をしているんだ」


「…?雨宿り…」


「傘を持っていないのか?」


「ある」


「じゃあ何で帰らないんだ」


「…待ってるの」



赤司のことをチラリと見ることもなく土足と上履きの境界線のような段に座ってただ、ただただ外を見ていた

そんな彼女に赤司は首を傾げながら、今から迎えなど来るのだろうかと考えていた




「赤司っち!早くー!」


「今行く。先生にあまり迷惑かけないようにな」


「わかった」



まったく動きもせずただ一点を見つめる彼女を赤司は気にはしていたが、チームメイトに呼ばれてしまったために昇降口から出ていった

彼女は彼の遠ざかっていく背中を見つめながら、彼ら7人が完全に見えなくなった所で立ち上がった

そして靴を上履きからローファーに履き直し、傘をさして外へと出ていった










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