第62章 卒業
「お願い……暫く、会えなくなるから……。
ゆっくり、感じさせて……」
オレの欲望を感じ取ったかの様に懇願され、強引にイカせるわけにはいかなくなってしまった。
そんな可愛い事言って散々煽って、ズルいっスよ、みわ……。
「挿れて、涼太……」
ああ、その声が脳みそを冒していく。
無意識のうちにオレは避妊具を装着していた。
「……ん」
先端をあてがい、深呼吸をした後にずぶりと奥まで突き込んだ。
「あ……ッ……!」
ぬるりと湿った壁。
断続的に締め付けて、オレを迎え入れてくれている。
ゴム越しにも、ハッキリとみわの熱を感じた。
「みわ……」
「りょうたあ、ン……」
唇を重ねながら、ゆっくりとした律動を繰り返す。
まだ一度も絶頂を迎えていない筈なのに、出し入れするといつもと変わらぬ水音が響いていた。
「涼太……きもちい……ッ……。
涼太……は……?」
とろんとした目で、オレの律動に合わせて腰を揺らしている。
こういうみわの変化は、素直に嬉しい。
去年の夏には、秘部に指1本すら入れられなかったんだ。
男性への恐怖心は、未だに払拭出来てはいないんだと思う。
でもこうやって、オレにはこころを開いて、身体を開いてくれている。
愛おしい。
「みわ……最高に気持ちいい……愛してるよ」
それ以上の言葉が見つからなかった。
この言葉を補足するように、濡れた唇を合わせた。
「……あ、りょ、た……」
どれだけそうして交わって居ただろうか。
ゆっくりした刺激のおかげで、オレもすぐに限界がくるような事にはならずに済んでいる。
「みわ……合宿、頑張ってね……」
正直、みわをひとりにするのが不安で仕方ない。
みわもどこかでは不安に思っているから、こうして繋がっていたいと言っているのかもしれない。
何事もなく、無事に終わりますように。
そう願いながら、緩やかな律動を続けた。