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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第61章 恋人達は愛に誓いを


今日はバレンタインデーの買い出し。
バレンタインデーまであと2日だ。

部活が終わってからだから、そんなに時間に余裕はない。

事前に決めておいたものを決めた個数買いに行くだけ、って感じだけど…。

あきのおかげで、安くて美味しいチョコも沢山買えたし、大満足。

気持ちだよね、こういうのは。

部員数は多いけれど、マネージャーだってひとりではないんだから、皆でお金を出し合えば、物凄い出費というわけではないし。

既にエコバッグはずっしり重くなっている。

「……常にエコバッグ常備なのがあんたらしいわ」

「ん? だめ?」

「いや、エコでいいんじゃないの」

「あーでも買えて良かった! 安心した、ありがとう!」

「黄瀬のはどうすんの?」

「あ、別に手作りで作るよ。材料は買ってあるから、今日おばあちゃんちで試作するんだ」

涼太には手作りするから、お菓子の材料とは別にラッピング用品も既に買ってある。

後はメッセージカードを添えて……。

チョコレートケーキって、ありきたりかなあ。

でも、人生初なんだ。
"恋人"にチョコを贈るの。

どうしたらいいかって正直よく分かってないけど、なんだかドキドキしてる。

"恋人"って、とっても特別な響き。

「同じ家じゃバレバレだもんね」

「あはは、ホントだね」

おばあちゃん、留守中にキッチン使いまくりでゴメンなさい。

「あきのお買い物はもう終わり?」

「うん、あたしは父さんと彼のだけでいいから」

あきは有名ブランドのチョコを買った。
流石、社会人の彼って感じ。

……お父さん……
私も、一緒に暮らしてたら作ってあげたりしたのかな、チョコ。

……最近、お父さんの事ばかり考えてしまっている。

いけないいけない、ないものねだりだ。


「じゃああき、帰ろっか!」

しかし、振り向いた彼女は、悪〜い笑みを浮かべてこう言った。

「何言ってんのみわ。これからが本番でしょ。ほら、行くよ」

「…………え?」


本番?

なんだか嫌な予感しかしないというか……。


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