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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第60章 お互いの


「まあ、それはいいとして、あんた来週末どうすんの?」

「来週末?」

試合とか、あったっけ?
スケジュール帳を取り出して目を落とす。
来週末って……2月……あ!

「もしやバレンタインデー?」

「……あんた、忘れてたんじゃないでしょうね……」

「いや、忘れてたっていうか……そもそもそういうイベントで何かした事ないし……。
そっか、バスケ部の皆にも用意しなきゃいけないんだね」

バレンタインか……小学生の時、友達と相談してクラスの子にあげたりしたな。

なんだか懐かしい。

……中学生の時は……そういうの考えられる余裕なんか、なかったし……。

「作るの? チョコ」

「うん、作ろうかな。お金そんなないし……」

「え、全員手作り?」

「だめかな? 潔癖のひとは、他人の作ったものなんか食べたくないかな……」

バスケ部に潔癖のひとなんていたかな?
あ、3年生にも用意しなきゃ。

「いやそうじゃなくてね、黄瀬が妬くから全員手作りはやめた方がいいんじゃないの」

「ヤキモチ……?」

涼太の顔が浮かんだ。

あ、妬きそう。
すごく、妬きそう。

そっか、そういうのもあるよね……。

「あきって、いつも色々な方向からそうやって考えられて、本当にスゴイね!」

「いや、あんたが恋愛に限ってそういうのを考えなさ過ぎなんじゃないかな……」

あきが呆れたようにため息をついた。

「買い物行くなら今度行こうよ」

「行く!」

「いいの、選んでやるからさ」

なんか、あきが悪い目をしてる。

ん?
選んでやる?
何を???


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