• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第60章 お互いの


自分の部屋に入り、ベッドシーツをグシャグシャに乱して暴れた。

「クソ、クソォ……」

シーツの波が隆起するたびに、みわの好きな柔軟剤の香りが舞い、後悔ばかりが胸をかき乱す。

全部受け止めるって、決めたばかりなのに。

黒子っちの話を聞くまでは、比較的落ち着いていられたはずなのに、黒子っちの話になった途端、どうしてあのようになってしまったのか。

また傷つけた。
オレが傷つけたんだ。





ガシャン!


突然、部屋の外からガラスの割れる音がした。

次に訪れたのは、静寂。

何があったんだ?

……でも、今顔を合わせるのが怖い。

嫉妬に塗れた自分が、今度はどんな事を言ってしまうのか、想像もつかない。

「ちっせーな……オレ……」

自分にガッカリだ。
他の男に嫉妬して暴れて。

少し眠ろう。気持ちが乱れた時は寝るのが一番。
冷静になってからではないと、謝ることも出来ない。

幸いにも今日は身体が疲れている。
とにかく今は、気持ちを落ち着けるんだ。

ささくれ立った心でも、眠気は身体を包んでくれ、シーツへ全身が縫い付けられるように自由が奪われていった。








ふと、なんとなく目を開けた。
少しだけ眠っていたようだ。

……まだ朝は訪れていない。

身体の疲れは取れ、少しだけ、気持ちが落ち着いた気がする。

黒子っちの事は……まだ正直、冷静になれるか分からない。

でもとりあえずは謝ろう。
とにかく、酷い事を言った。謝らないと。

恐る恐る部屋のドアを開け、リビングへ向かった。

しかし、リビングにみわはいなかった。
もう部屋に戻ってしまったのか。

珍しく、電気が点けっぱなしだった。
普段、絶対にそんな事はない。

みわの気持ちの乱れが現れているようだ。

ため息をひとつついて、何気なくシンクに目をやってギョッとする。




シンクと、調理台が真っ赤に染まっていた。







/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp