第58章 すべて受け止めて
「だ、だめだめ! ダメだって! 汚いから触っちゃだめ!!」
「みわのならなんにも汚くないっスよ」
元々、控え室の時も……涼太が怖かったというのもあるけど、それが恥ずかしいのもあって転がって逃げたのに。
両手でなんとか涼太の手を押さえても全く意に介さず触れようとしてくる。
「涼太ってば……!」
グイッと涼太の顔が近づく。
興奮している琥珀色の瞳は、いつもよりもずっと色っぽい。
その薄い唇は、はぁ……と、熱い吐息を吐いた。
「みわ……オレもう……我慢出来ない。触らせて」
「ず、ずるい!」
そんな風に言われたら、拒めない。
「オレはズルいって、前から言ってるっスよ」
「あッ……!」
涼太の指が、ぬるりと秘唇を撫でると、腰の辺りまで刺激がじくじくと響いてくる。
指がゆっくりと、挿入されて来た。
「んッ……んんぁ……っ」
探るように、広げるように動く指が与えてくる快感に、下半身がぶるぶる震える。
さっきは涼太以外の人に触られて、吐き気を催すほど気持ちが悪かった。
なのに……
思わず、涼太の首元に抱きついた。
「……みわ、キモチイイ?」
「んっ、んッ……きもち、い……でもさっき、あのひとに触られた時、は、ッ、気持ち悪かった、の……」
「……うん。オレが、上書きしてあげるっスよ」
でも。
「……でも、ぐちゅぐちゅって、してた。気持ち悪いのに、濡れてたって、言われた。痴漢の時だって本当に……嫌だったのに、本当に気持ち悪くて怖かったのに。感じてなんか……いなかったのに」
どうして。
本当に怖くて嫌だったのに。
彼らの声が、ずっと忘れられない。
「みわ」
「わたし、淫乱だって。私……」
「みわ」
唇が、慰めるように優しく触れた。
「ちゃんと分かってるっスよ。女の子は、快感と関係なく濡れることもあるんスから」
「そ……うなの……?」
「そうっスよ。中を傷つけないようにする自衛本能だったり、恐怖という極度の興奮状態で濡れる事もあるらしいし」
「私の事……淫乱女って、思わない?」
「思わない。分かってるよ。ただ、オレの前では淫乱でいてくれて大歓迎」
更に指が1本、追加で侵入してくる。
「あァう……んッ!」
優しい彼の言葉と指に、ちゅくちゅくと私の中心が悦んだ。