• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第53章 初詣


ついまた、流れでしてしまった……!
涼太の肌は、一度知ったら離れられない。

こんなんじゃ、だめなのに。
分かってるのに。

焦ってとろ火にしていたコンロの火を止め、びしょ濡れになってしまった下着を替えて急いでキッチンに戻る。

小鍋の他にお椀と木製スプーン、水と薬をお盆に乗せると、自分の部屋に戻った。

軽くノックをしてドアを開けると、眠っているらしいSariさんの姿。

良かった。これなら気付かれてなさそう。
勉強用の小さなテーブルにお盆を置き、声を掛ける。

「Sariさん、お粥持ってきました」

「ん〜……」

「起き上がれそうですか?」

顔を覗き込むと、ガシッと顔を掴まれ突然唇が重ねられた。

「!?」

「……あ、間違えた」

寝惚けた顔でそう言うと、ぽりぽりと頭を掻いて起き上がる。

「ごめん、リョウタかと思って」

な、な、な

「な、あ、涼太は、涼太は私の……なのでそういうの、やめて貰えませんか!」

「あー……うん……ごめんね〜」

だめだ。意を決して言ったのに。
今この状態の彼女に言っても効果はなさそう。

「と、とにかく食べれるだけ食べてお薬飲んで眠って下さいっ!」

「……ありがとぉ」

昨日の気丈な態度からは一変して、弱っている姿。

薄いTシャツから覗く肩は細い。
細いからか、胸はそれほど大きくなさそう。

長い睫毛が伏せた目にかかり、色っぽく儚げな印象。

ショートカットのため、うなじが美しく男性にはたまらないかもしれない。

……いつの間にか品定めのような事をしている
自分に嫌気がさした。

「ん、美味しい。みわちゃんが作ったの?」

みわちゃんって……。

「はい、そうです」

「ありがとう。優しいんだね」

「……そんなんじゃないです」

私、貴女にこんなに嫉妬している。
涼太の過去を知っている。
私にない才能、美しさを持っている。



「……ご馳走様。薬も貰うね」

「あ、はい。3錠です」

小瓶から錠剤を出して水で流し込む。
動く喉の動きすら、美しく感じた。

「じゃあ、少し眠らせて貰おうかな」

「あ、少し汗かいてますね。これに着替えて下さい」

私の可愛げもない部屋着だけど、汗で濡れた薄いTシャツとショートパンツよりマシだろう。

「ありがと」



/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp