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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第33章 天国と地獄


リビングでひとり、問題の手紙を手に取る。
こんなの、ただのイタズラだ……

大丈夫。

文章はパソコンで打たれたものらしく、筆跡は分からない。
気味の悪い文だ。

ノートパソコンをソファまで持ってきて、再生する。耳にはイヤホン。

映されたのは、部屋。
女の子の部屋だ。

担当サンが言っていた通り、随分と画面が粗い。

勉強机に本棚、手前には布団が敷いてある。

女の子は、机に向かって何かをしている。
こちらに背を向けているので顔は見えない。

髪は肩まであるくらいか。
姿勢良く、椅子に座っている。

このカメラはどこかに仕掛けられたものか。
それとも、こういう企画モノか。

部屋のドアが開く。
女の子が、怯えたようにびくりとドアの方向を見る。

男が入って来た。マスクをしている。
画像が粗くて、顔までは確認出来ない。

女の子の反応からして、強盗の類ではないようだ。何か小声で会話をしている。

カメラ自体の質が悪く、大きな声で話さないと音声は拾えないようだ。

男が後ろ手にドアを閉めて、女の子を布団に移動するように促している。

女の子は抵抗することなく布団に横になった。

……これは、本当に裏ビデオなんじゃないか?
もしそうだとしても、自分では絶対に選ばないジャンルであることは確かだが。

画面ではうつ伏せになっている女の子の服を、男が嬉しそうに脱がす。

下半身だけ裸になった女の子の腰を持ち上げ、尻に何かの容器を刺している。
浣腸……じゃないな。
ローションか……?

なんて乱暴な。そういうプレイ?
見ているだけで気分が悪くなる映像だ。

男は、自分のズボンのベルトに手をかけ、あっという間に性器を曝け出した。

ここまで、前戯の類は一切ない。
ますます、AVみたいだ。

男はほぐすこともせず、おもむろにペニスを尻の穴に突っ込む。
女の子から悲鳴があがった。

流石にその声は、このマイクも拾った。

「い、いたい……っ!」

その声に、思わず停止ボタンを押した。

いまの、こえ。
指が震える。

幼い声だ。少し、高めの。

でも、分かる。
今はもう少し低めの声になっているけど、いつも聞いている声だった。

……みわ……っち……?

足元から奈落へ落ちていくような絶望感。
聞き間違える訳がない。

これは、みわっちだ。


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