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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第80章 進展


大きな星、小さな星。
輝きが強い星から、そっと静かに光を湛える星。
自らが輝く星から、他の天体の光を受けて輝いているように見える星。

いつでも皆の目に届く光も、気付かぬうちに消えゆく光も、無数の星々には、きっとそれぞれに意味があって。

それは星だけではなく、ひともそうなんだと、そう言って貰えてるような気がして。

涼太のように、常に最前線で自らを輝かせる事が出来るひと。
私のように、誰かの光を受けないと、存在すらあやふやなひと。

でも、それでいいんだって。
意味がある事なんだって、言って貰えてる気がして。

ただただ感動していた前回よりも、もっともっとこころの深いところに何かが落ちてくる感覚だ。
どうしてかな。
これは、私の中で何か変化があったからなのかな。

ああ、綺麗。
なんて素敵な光景で、なんて幸せな時間なんだろう。

少し緩んだ手を、しっかりと握り直されて……あったかい。

この手をずっと離したくない。
ずっとずっと、離したくない。
贅沢な気持ちばかりが肥大していく。

頑張らなきゃ。
いっぱいいっぱい、頑張ろう。
頑張れる、この時間があれば。

これまでより、これからの人生の方が長いんだ。
涼太と出逢える前の人生よりも、出逢えてからの人生の方が。

……また、感傷的になってしまった。
だって、幸せすぎて涙が止まらない。

涼太と居ると、涙腺が緩んでしまうのかな。
上映が終わる頃には、頬はぐっしょりと濡れていて……。

「大丈夫? みわはホント、涙もろいっスね」

「ごめん、なさい……」

「ほーら、謝んないの」

やれやれと言ったように微笑んだ涼太に、優しく拭って貰ってしまった。

ふわふわのベッドと同じくらい、足元がふわふわしたまま、プラネタリウムを出た。



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