第79章 邂逅
「ここはね、今みわが言った通り、Gスポットで」
「あっ、ん、涼太お願い、今話している間は、動かさないで」
いいっスよ、と言ってくれ動きは止まったものの、指が抜かれる気配はない。
ちょっと、集中出来るかな……。
「そもそもね、勘違いされやすいんスけど、Gスポットって一点のコトを言ってるんじゃないんスよ。大体このエリア、みたいな感じで広範囲なんスわ」
「……そうなんだ」
"スポット"って言うから、もっと狭い範囲なのかと思ってた。
でも……
「ねえ、涼太……? あの、あの、今このタイミングで話す、ことなのでしょうか?」
だって、今日はお誕生日で、涼太は晴れて二十歳になって、成人して初めてのこういう事で、涼太の希望は好きにさせて欲しいっていう事で……あれあれ、よく分からなくなってきちゃった。
「うん、今こうして話すコトに意味があるんスよ」
「そ、っか」
そう言われてしまったら、ぐうの音も出ない。
彼との情事は、不思議な事ばかり。
あきの部屋で読ませて貰った少女漫画とは、ちょっと違う。
涼太は言ってた、"セックスはコミュニケーション"なんだって。
確かに、こうして言って貰って初めてわかる事って、いっぱいある。
「おまけにね、Gスポットって、別にそんなに気持ち良くなれる場所じゃないんスよね。開発されて、初めて感じるコトが出来るようになるんスわ」
えっ……そう、なの?
私はもう、刺激されただけで何度も絶頂に達してしまうくらい気持ちいいんだけれど……。
「開発、って」
そんなの、いつの間にされてたんだろう。
開発計画を提出して貰ってないよ、いやいやそうじゃなくて……
「開発はね、こうすんの」
「あん……っ!」
ビビッとまた下半身に快感の電撃が走る。
「クリを弄りながらGスポットを刺激すると、脳ミソが勘違いするんだって」
絶妙な力加減で陰核を弄られながら中をトントンと叩かれて、腰の力が抜けて行くのが分かるほど気持ちいい。
「これを、長い時間かけて刷り込ませていくんスわ」
「あっ、あ」
ひたすら送り込まれる快感の赴くままに喘いで、絶頂とともにぷしゅっと飛び出した飛沫が、また彼を濡らしてしまった。