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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第79章 邂逅






「最近ちょっと油断してんじゃねえの?」

「へっ?」

目の前でみわが作っておいてくれたメシを頬張る笠松センパイが、突然不思議な事を言い出した。
いつもは小堀センパイも来るけど、今オレの部屋にいるのは笠松センパイひとりだ。

「油断……って、なんスか?」

「神崎との事だよ。オマエさ、神崎が浮気するなんてこれっぽっちも心配してねえだろ」

「してないっスけど……この間だって……」

まさかの車内姫はじめを思い出す。
みわがすげー可愛く誘ってくれて……
「イタッ!」

テーブルの下から蹴りが飛んできた。
いつものパワーがないのはきっと、イスじゃないからだろう。

「な、なんで蹴るんスか!」

「悪い、そのヘラッとした顔に腹立って」

「理不尽っス! り・ふ・じ・ん!」

「いや、マジでよ……油断してんなよ。オマエはさ、ふたりは色んな事乗り越えて、絆も強固なものに……って思ってんのかもしんねーけど、そういう時が一番怖いんだからよ」

センパイは、女性経験がない(はず)のに、こういう時の発言はメチャクチャ説得力がある。

ふざけたり、からかったりしてるワケではなさそうだ。
その強い瞳はバスケの時と変わりない。

「あれっスか……運転も、慣れた時が一番危ないって」

「そうそう、ってオマエ真剣に聞けよ!」

「いや、オレなりに真剣に聞いてるんスけど……」

オレの事をよっく知ってるセンパイがこう言うんだ、どこか緩んでるトコロがあるんだろうか。
うーん……?

「最近会ってんのかよ」

「あ、まさに明日会うっス。なんか話したい事があるって」

「ふーん……」

センパイは、なんか浮かない表情。
なんだかんだ、色々あったオレたちの事を心配してくれている。

「大丈夫っスよ、オレたちの愛は誰にも邪魔できないんで!」

明日、久々に会える。
だいぶ浮かれてるのは自分でもよく分かってる。


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