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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第79章 邂逅


「かんだ……しゅういち」

閑田秀一。
これからお世話になる大阪のK大学のエース。
ポジションはSF……スモールフォワード。
涼太と同じだ。

身長は195㎝と、恵まれた体格。
地区大会などでは、1人でかなりの得点を記録することも少なくない。

何より、驚くのは……彼は大学からバスケを始めたということ。
小さい頃のミニバスの経験などもない。
近親者にバスケが身近な人間がいるわけでもない。

こんな才能が、今までどこに隠れていたんだろう。

プレースタイルは、とりたてて珍しいものがあるわけでもない。
様々なことを無難にやってのけるタイプのようだ。

オールラウンダーであることを要求されるSFというポジションでは、必要な素質。

サラリとした金髪は、愛しいひとを思い起こさせる。
目は切れ長と言うよりも、少し丸みがあって大きい……と、つい彼と比べてしまって。

いけない。
集中しなきゃ。

彼の注意すべき点は……精神的に脆いこと。
モチベーションが下がることがあれば試合に出ない、出たとしても普段とは比べものにならないレベルのプレーになってしまう為、監督をはじめ周囲の人間は手を焼いていると。

また、自分が才溢れるタイプだからか、どことなく他人を馬鹿にしたような言動が目立つと。
それで、チーム内でイザコザが起きるのも多々あるようで。

どんなひとなんだろう……あんまり想像、出来ないな。

それにしても、この資料集の情報量が半端無い。
家族構成から居住地まで、全て書かれている勢いだ。
個人情報とか、大丈夫なのかな……。

「なかなかの素材だろう」

ホットコーヒーを飲みながら、マクセさんが一言。

「はい。正直、驚いています」

「ワガママだけどな。子どもみたいだ」

「子どもみたい……ですか」

「まあ、キセキの世代を近くでずっと見ていた神崎じゃ物足りないかもしれんが、優秀なプレイヤーだよ」

どんなプレーをするんだろう。
今日まで、自分では思ったほど情報を集められなかった。
情報収集もまだまだ未熟。

この目に直接、焼き付けなきゃ。





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