第76章 清新

腰から下が、溶ける。
下半身を涼太の灼熱にどろどろに溶かされて、自分との境界線が、個体の区別がどこなのか、もう分からない。

「っ、あッ、いぁ……ッ！」

速くなる抽迭。
何度も何度も押し寄せてくる絶頂感に、逆らえない。

「みわ……ここがイイんだ？」

「あ、ん、なにっ、ん、わか、わっ、わかんないっ」

何をされているのかすら、分からない。
涼太が屹立を突き込んでくるたびに、魚のように身体が跳ねる。

ぐり、と最奥まで何度も挿入されて、下半身が抜け落ちてしまいそうな程に、気持ちいい。

「──っ！」

また、足先にビンと走り抜ける、快感。

涼太を、ぎゅうと締め付けるのが分かる。
彼の形がくっきりと分かるほど、その存在を確かめるように。

「あ……またイッたっスね、みわ」

「はぁ、は……ッ、あぁ」

勝手に収縮する襞が、涼太を何度も何度もしゃぶるように吸う。
もっと、もっと、もっともっと奥へ。
いちばん、おくへ。

「かわいー……もっと、感じて」

ざり、とお互いの茂みが擦れあって、また違った快感を生み出していく。

触れる肌、ぶつかる吐息、全てが気持ち良くて仕方ない。

「んっ、う、……ッア、あぁ！」

「はっ……てかごめん、オレもそんなに……保たないっス、わ」

苦しそうにそう言いながらも、その攻めは緩むことはない。

肌のぶつかる音と濡れた破裂音に支配されて、五感が全て涼太で満たされる。

ビリビリ、ビリビリ。
感電してるみたいだ。

思考が、霧散する。
いっぱい、色んなこと考えなきゃ、いけないのに。

だって、私、沢山の男達に……汚れて……

だって……だめ、何、何考えてるん、だっけ……

「……みわ？」

「んっ、あ、ぁん、頭のなか……ぐちゃぐちゃ、して……ッ」

「いいって……余計な事、考えないで」

涼太、涼太……

「っあ、あァ、んっ、あ……！」

「オレだけ、オレだけ感じて」

涼太 だけ。

「りょう、た……ぁ」

もう、涼太しか、感じられない。