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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第73章 散華





ああ、切られたのが涼太に買って貰った服じゃなくて、良かった。

麻痺した頭はそんな事を考え、男の手が私の身体に触れる頃には、あまりの恐怖に何も考えられなくなっていた。




なに、なんでこのひとは

こんなことをするの?

さわらないで


「どうせ今日びの女子高生はヤリまくってんだろ?」


いやだ

どうして

りょうた


「お、使い込んでる割に、ここはキレイな色してんじゃねえか」


いや

さわらないで

やめて


「ま、オンナなんか、1回ヤッちまえばもう中古品だ。新品以外に価値なんかねえんだよ」


たすけて

りょうた

りょうた


「……へへ、好きな男の事でも思い浮かべて大人しくしてりゃ、悪いようにはしないぜ? ほれ、そのまま足広げてろよ、中古女」


いや

やだ

やめて

はなして

いたい

いたい

いた   い



声にならない声が、喉元で音を無くしてさらさらと消えていく。

これから複数の男たちに蹂躙されるであろう自分の哀れな姿を、もうひとりの私が遠くから眺めているような感覚だった。


こうしてまた
全部
奪われて
いくんだ


ジタバタと手足をもがく様に動かすと、腹部に強烈な痛みを感じた。

殴られたのか、蹴られたのか、踏まれたのか。

頬にもまた、鈍い痛み。

響き渡る、笑い声。

もう、視覚は麻痺していた。

なんにも、見えない。

脳が、拒否している。

ぼんやりとする視界の中。
1人の男が、私の両足の間で下半身を露出させているのが分かった。

他に、1、2、3、4……
何人いるか分からない複数の男が、私の手足や顔を押さえたり、撮影機器のようなものをこちらに向けている。

ふと、頭の中にフラッシュバックのように映像が流れてくる。

この状態、私……以前に経験がある。

同時に何人もの男に、ぐちゃぐちゃに犯された記憶。

犯され、嬲られ、ぼろ雑巾のようになった自分の姿。

これは遠い記憶なのか、今起こっている現実なのか、それを判別する能力はもはや今、なかった。




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