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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第19章 夏合宿 ー2日目ー


しばらくすると、笠松センパイが交代に来てくれた。

「今寝付いたとこっス。オレ、すぐ食べてくるんで!」

「おー……まあのんびりしてこいよ」

そうは言われたものの、走って食堂に向かう。

食堂ではまだ何人かは食事をしていて、みわっちの事を知らないのか、オレが突然入ってきて驚いていた。

「なに黄瀬、今からメシ? おせーじゃん」

2年生だ。レギュラー以外のメンバーだと、普段はあまり喋らないけど。

「ちょっと、みわ……マネージャーが体調崩してて、色々やってたんで」

「え、大丈夫なのかよ?」

「ハイ、今落ち着いて寝てるとこだから、大丈夫だと思うっス」

「黄瀬も災難だったな。マネージャーが倒れてたんじゃ、話になんねーだろ」

「……は?」

「空回りしてマネージャーが倒れたら、一番メーワクだろって話だよなあ」

「……アンタ、何言ってんの?」

「だってそうじゃん、バスケやってんのはオレたちなのにマネージャーが倒れるとか……」

一瞬、聞き間違いかと思ったが、残念ながら現実らしい。
同じチームなのに、こんな事しか言えない奴がいるのか。

「……オレたちがバスケに集中できるのは誰のおかげだと思ってんスか」

こんなの相手にするだけ時間の無駄だ。
すぐにみわっちの所に戻らなきゃいけない。

でも、その発言を見逃すほどオトナにもなれない。
彼女がどれだけバスケ部の事を想い、皆を想っているのかを、オレは知っているから。

深呼吸1つして、睨みつけながら言った。

「もう一度マネージャーを軽視した発言をしてみろ、ぜってー許さねーからな」

もうそれ以上、誰も何も言わなかった。

物凄く腹立たしかったけど、これだけの数の部員がいたら、意識が
統一されてないのは仕方ないのかもしれない。
帝光中だって、似たようなものだったじゃないか。

そう言い聞かせてみたものの、全く治まらないイライラを抱えながら、食事を取った。

スマートフォンがメール受信を知らせていたが、とても見る気にはなれなかった。



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