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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第16章 【番外編】Happy Birthday!!


立たない腰を支えて貰いながら、
冷蔵庫からケーキを取り出す。

不器用ながらに、一所懸命焼いたケーキ。

「チーズケーキなんだけど……」

「やった! オレ、1番好き!」

「良かったぁ……」

「でも、良く分かったっスね?
今年は、雑誌でフルーツタルトの店の
特集記事担当したから、そこの店の
プレゼントがちょう多かったんスよね。
いやまあ、タルトも好物っスけど」

「あ、見たよその記事! でもあの
……前に、チーズケーキ好きって言ってたから」

「え? オレ? 自分で言ってた? いつ?」

「いつだったかな……」

「ケーキの話なんてした事あったっけ?」

「うーん、ケーキの話をしてたわけじゃ
ないと思うんだよね……なんかの話の時に
ポロっと言ってた感じ」

「そんなの、いちいち覚えてくれてたんスか……」

黄瀬くんが、フォークを口に運んだ。
…………どう、かな……。

「間違ってなくて良かった!
聞いた方がいいか迷って……って黄瀬くん!?」

黄瀬くんの目から、ボロボロと
涙が零れ落ちる。

黄瀬くん、どうしちゃったの!?

「みわっち……ありがとう……
ありがとう……ちょう美味い…」

今日、どれ位たくさんの人から
『おめでとう』を貰ったの?

こんな、私1人のプレゼントで
喜んで貰えるなんて……

「……喜んでもらえて、嬉しい」

もはや号泣だ。
ケーキを食べながら号泣している。

「美味しいっスよ……ズルッ」

「オニオングラタンスープは
今度ゆっくり作らせて貰ってもいい?」

「……嬉しい。食べるっスよ……もちろん……」

「ふふ、黄瀬くん鼻水」

ティッシュを渡すと、その腕を掴まれた。

「みわっち……もーいっかい……」

先ほどより温度の高いキス。
ほんのり、チーズケーキと涙の味がした。




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