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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第68章 際会


「応援、ありがとうございました!!」


帰りは笠松センパイ達も一緒のバスで帰ってきた。

去年と同じように明日は調整のための軽い練習をし、明後日は1日オフだ。

夏休みのうちの1日オフは貴重な為、みわとも話をして笠松センパイの学校へはその日に行こうかと計画していた。

「センパイ、明後日オレ達オフなんスけど、センパイの学校に見学行ってもいいっスか?」

「ああ、いいぜ。来いよ」

結局、IHでもゾーンに入る事は出来なかった。

足りない。
何かが足りないんだ。

そのきっかけが掴めるのなら、なんだってやってやる。

「よろしくお願いしまっス!」

「お前は負けて泣いても、ビックリする位切り替えが早いんだよな。まあエースはそんくらい図太くないと」

「センパイ、もう少しイイ言い方ないんスか!? こんなにナイーブな後輩を前にして!」

「どこがだよっ!」

またシバかれた。

……図太い、か。
確かに、そうかもしれない。

やはり負けは悔しく、今回も洛山に負けて涙してしまったけど……ズルズル引きずるタイプではない。

後ろを振り返ってる暇はないと、センパイ方に教えて貰ったから。

もう切り替えて、次の大会を見据えていきたい。
隣で赤い目をしているマネージャーを慰めてからね。



「みわ、もう帰れる?」

「うん……でも私、部室に置いて行かなきゃいけない荷物があるから……」

「オレも手伝うっスよ」

……可哀想なほどの鼻声。
手に持った大きなボストンバッグを受け取り、2人で部室に向かった。

「置いてかなきゃいけない荷物はこんだけ?」

「うん、そう。あとは家で洗濯したりしなきゃいけないから……」

「そっか」

みわは見るからに元気がない。
誰も彼もがオレみたいにすぐ切り替えられるわけではないだろう。

「みわ、送るっスよ。……かえろ」

「……ん」

俯きがちな彼女の細い手を引いて、歩き出した。


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