• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第14章 花火


「暗くなって来たっスね」

部屋に戻ると、だいぶ日が傾いていた。

オレは、みわっちが好きだ。
めちゃくちゃ好きだ。好き。

でも、正直こんなにうまくいっているのが、怖い。

オレ、みわっちに触れるとタガが外れて、全然抑えられないのがよく分かった。

早く気づけよって感じだけど……

今までそーゆートコ結構器用にやってきたつもりだったから、女の子に気軽にキスとかボディタッチとかしてたけど、このままみわっちにも同じようにしてたら、まずいっスね……

自分を抑えきれずに、押し倒したりしたらサイアクだ。

心の準備も出来てないみわっちにこんな事を続けてたら、オレのことをきっと嫌になる時が来る。
ゼッタイ来る。

やっぱり、バスケを目一杯できないと溜まるんスかね……

ウィンターカップまで、またひたすら練習だし、いい機会だ。

みわっちとは少しだけ肉体的な距離を置いて、今みたいにサカってばっかりじゃないトコ見せないと。

嫌われてしまう。
飽きたら、もういらないって言われてしまう。

身体だけの繋がりになってしまうのもやっぱり虚しい。

「黄瀬くん、ひとり暮らしって、寮には入らないんだね」

「ああ、春なら空いてたんスけど、今ちょうど空きがないみたいで。
まあ、1人になりたい時間もあるからちょーどいいっスわ」

「そうだよね、黄瀬くんどこ行っても人気者だから……」

「人気者か……」

モデルだって、人気商売だ。
飽きられたらおしまい。
オレの代わりなんて山ほどいる。

キセキの世代だって、故障したら使い物にならない。
並の選手以下だ。
コイビトだって別れたら終わりだ。

永遠、なんてあるのかな。

オレ、永遠に誰かから必要とされること、あるのかな……

「……そろそろ行くっスか?」

「うん! バケツ持っていかないとね」

外に出ると、うだるような暑さは心なしかおさまっていた。

「……まだ蒸し暑いっスね〜」

「ほんと、折角シャワー浴びたの……に……」

みわっちがさっきのを思い出しているんだろうか。
顔を赤らめて、ちょっと気まずそうにしてる。

「また浴びればいいんスよ。あ、そこの公園。人もいないし、丁度いいっスね!」


/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp