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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第67章 想い


「……みわ」

その名前を呼ぶだけで、こころがホッとするのはなんでだろう。

世界で一番愛しい名前。
腕の中のこんなに小さな存在。

肌を合わせたのはオレの誕生日が最後だ。

ぎゅっと抱きしめたその細い身体が密着して、心臓がドキドキする。

このぬくもりだけで、もう十分。

「……近いっスね……」

まるでみわの心臓の音まで聞こえてきそうな距離。

「……むねが、ないから……」

「へ?」

「さつきちゃんみたいに……胸、ないから」

「何言ってんのみわ」

やっぱり、気にしてた……。

「言ったでしょみわ、オレはみわのが好きなんだって」

ホントに、分かってくれねーんスね……。

「だ、だって……」

「ん?」

「この間涼太が見てた……え、えっちな動画の……女優さんも……大きかったもん……」

「え?」

「あ、な、なんでもない」

エッチな、動画?
オレが見てた? なんのこと?
みわは見るからにオロオロしてる。

「ごめんなさい、なんでもないの」

「何? 何、みわどういうこと?」

……よほど疲れている時以外はつい、自慰行為はしてしまうけど……

そういう動画を見ながらしたのは、いつだったか。

同級生には驚かれるが、みわの事を妄想するだけで興奮出来るから、あまりそういった類のものは見ないし、見たいとも思わない。

時々体位の勉強とかで見たりもするけどね。

いや、オトコが全員AVで抜くと思ったら大間違いっスよ?

まあ、それはいいとして……

……待て。

ハッキリ覚えてるのがある。
この間、見たのは……
みわがここに来る、前日。

普段、そういったものを見る時はスマートフォンで見てるけど、その日だけはなんとなくパソコンで見なかったか。

「……みわ、もしかして」

「ご、ごめんなさい、わざとじゃないの。
たまたま、パソコンがあったから」

ああ……やっぱり、そうか。
おまけに多分、みわに似てる女優を選んだ筈だ。

ヤバい。メチャクチャ恥ずかしい。



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