第67章 想い
その夜、私は涼太の部屋へ呼ばれ、
また寮内へ忍び込んだ。
ちゃんと、黒子くんに話してきた事を告げると、何処と無く安心したような、そんな表情を浮かべた。
「みわ」
甘い声と力強い腕に捕まって、ベッドへ押し倒される。
「あ、あの……私、今日はそういうつもりじゃ」
そう言っても、涼太は止まらなかった。
こういう事をするのは、涼太の誕生日以来。
指が、丁寧に制服を脱がしていく。
愛撫しながら下着も剥がされると、何も身に纏うものがなくなった。
いつもの、涼太の体温。
彼の熱。
幸せしか感じない、腕の中。
優しい指遣いで弱いところを刺激されて、唇で、舌で愛されて、挿れる前に何度もいかされた。
「みわ……」
いつもの甘い囁きと共に、涼太が私の中にずぶずぶと入ってくる。
「あ、あぁ……ッ」
繋がった部分が溶けるように熱く、もっともっとと疼き続けている。
涼太が腰を動かすたびに、全身に甘い痺れと強烈な快感が走り、頭が朦朧としてきた。
「ッあ、あぅ」
目の前の涼太しか、見えない。
大好き。大好き。
それなのに。
「あっ、あっ、あっ」
悲しそうなさりあさんや黒子くんの顔が、頭から離れない。
「あっ、んああッ」
傷つけた。
私が、傷つけたんだ。
「やっ、あン、あぁ」
大きな手が、頬に触れた。
「……みわ、誰の事、考えてる……?」
「あっ、ア、りょーた、涼太のこと……」
全てを見透かすような、キレイな瞳。
腰は更に最奥までぶつけるように、激しく動き始めた。
「違うでしょ。今、誰が頭にいるの……」
黒子くん、さりあさん。
ごめんなさい。
「やっ、だれっ、も、だれもいない……!」
勝手にボロボロと流れ落ちる涙。
ごめんなさい。ごめんなさい。
「……ウソつきっスね、みわ……」
「やッ、あぁ、っ……ああぁあぁ……!!」
そのまま優しい腕に抱かれて、
快楽に溺れ、……泣いた。