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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第14章 花火


黄瀬くんの肩口から、腕に触れる。
この腕が、ボールを運んでるんだ。

私の腕とは全く違う、筋張っていて太く鍛えられた腕。大きな手。

この手に、この身体に、どれだけのものがかかっているんだろう……。

まだ、同じ高校1年生なのに。

お願い。無理だけは、しないで……。

「……みわっち、そんな目で見ないで欲しいんスけど……」

「……えっ、また変な顔してた?」

「いや……みわっちが、オレのこと好きっていう、そんな顔」

「すっ……な、何、それ……」

なんでそういうことをサラッと言っちゃうかな、このひと。
恥ずかしい恥ずかしい!

上半身を洗って、足を、洗って……。
えっと……残るは…………

チラリと下半身に目をやる。
ドキドキと心臓を高鳴らせていると、黄瀬くんはこちらを見て微笑んだ。

「アリガトみわっち。泡流して、湯船はいろ?」

「え、だってまだ……」

「いいっスよ。別に奉仕させたくて一緒に風呂入ってんじゃないっスからね」

「ほ」

ほ、奉仕っていうと……生々しい……!

「わ、分かった。でもね、なんか、やっぱり私だけして貰うの、不公平な感じがしてダメなの……なんか、私でもできること……」

「……そうスか……じゃあみわっち、その泡、洗い流して?」

「う、うん」

黄瀬くんには背を向けたまま、シャワーで自分の身体の泡を洗い流す。

「……次、シャワー貸して」

シャワーヘッドを手に取ると、黄瀬くんは彼についている泡を流した。

「……?」

何を、すればいいんだろう。
私が黄瀬くんの泡も流してあげるのかと思ったけど……。

「みわっち、おいで」

右手で胸を、左手で下半身を隠して黄瀬くんに近寄ると、黄瀬くんはバスタブのふちに座って、自分の太ももを指して言った。

「ここ、座って?」

え。
ここって?
足に、座るってこと?

「え、重いよ。足に負担かかるし」

「こっちは大丈夫っスよ。みわっち軽いし」

い、いきなりなんなんだろう。
渋々座ろうとすると……

「違う違う、跨るようにして座るんスよ」

「え」

跨る?

「オレに、してくれるんでしょ?」

……そ、そんな言い方、ズルい……。
おずおずと、彼に近寄る。

「み、見ないでね……」

だって、跨るっていったら……つまり……。


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