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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第65章 星空


「黒子くん、そんな、どうしていきなり」

「……いきなりじゃありません。ずっと……ボクは去年、みわさんと黄瀬君のお見舞いに行った時から、気になっていました」

「え……」

「今までは、黄瀬君もボクの大事な友達だし、諦めてふたりを見守ると決めていました。
キミが、黄瀬君の事を嬉しそうに、愛おしそうに話す姿が大好きだったからです。
……でも、黄瀬君がみわさんの事を大事にしないなら、話は別です」

突然の展開に、頭がついていかない。


今日、涼太は誰かとふたりきりで会っていた?
涼太はそれを隠していた?
黒子くんが私の事を好きだった?
黒子くんが?
付き合って欲しいって?
涼太と、別れて欲しいって?


ぐるぐるぐるぐるぐると言葉たちが回って、どうやって受け止めればいいのか分からない内に、一斉に叩き付けてくる。

目が回りそう。

「みわさん、今すぐに答えをくれなくていいです。
でも、……ボクは本気です。考えておいてください」

そう言うと、黒子くんの身体は離れていった。

「……送ります。もう、遅いので」

「……あ、うん」

「みわさん、大丈夫ですか?」

「…………」

「みわさん」

「あっ、ごめんなさい、何?」

「いきなり驚かせてしまってすみません。
ボク、少し頭に血が上ってしまいました」

その言葉にすら、うまく返事が出来ない。
あまりにも予想外の展開すぎて、完全についていけなくなっていた。

「……さっきも、黄瀬君の話をする時に酷い言い方をしてしまいました。
すみません」

「ううん、私も……ちょっと驚いてしまって」

のそりとベンチから立ち上がると、出口に向かって歩き出した。

これも……私の性質のせいなの?

お母さん、私はどうしたらいいの?

涼太、何が本当なの?



少し、気持ちを整理したい。
大きく息を吸い込んで、天を仰いだ。



ああ、やっぱり都会は星が見えない。






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