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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第1章 朝焼けと彼


──綺麗な、人だった。






私は神崎 みわ。
海常高校に通う、高校1年生。

とりたてて美人でもなければ、スタイルが良いわけでもない。

身長は164㎝だから女子にしては高い方だけど、いかんせん運動神経は皆無なので、運動部で活躍することも叶わず。

そして小柄で可愛い……には程遠い。

あえて言うなら、勉強は得意で成績も良い方だけれども……この程度では社会に出ても役に立つものだとは思えない。

生真面目な性格が災いして、人とも上手く付き合えない。

臆病になるあまりに、人間観察が得意になってしまった。

気を許せる友人も、いない。
私には、何もない。

本当に、自分が大嫌い……。


高校に入学して、そんな自分を変えたいと苦手な運動を始めてみた。

といっても、スポーツは苦手だから、朝にランニングやウォーキングをする程度だけど……

まだ夜が明け切らない、澄んだ空気の時間帯が大好き。

そして、同じ時間帯に……同じく、ランニングをしている男の子がいる。

私の後ろから走って追い抜いて行くのだけれど、すれ違う時にチラッと見える横顔が、びっくりするくらい綺麗で。

追い抜いて行った後も、大きい背中や整った身体につい見惚れてしまうくらい、美しい人だった。

身長がすごく高いけど、同じ高校生かな。
あんな綺麗な人がいるんだな……

朝焼けの中で出会う彼。
まさか、あんな出会いをすることになるとは、この時の私は、思いもしなかったんだ……。






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