第4章 人と人ならざるもの、弐
「よかった……」
みなが安堵の表情を浮かべた時、森の方――神邪洞がある方向から赤い閃光が閃いた。
「「「!」」」
一斉に息をのむ。赤い光は室内を燃えるように照らす。
無事に封印が完了した、真っ赤な光。
あまりの眩しさに目を覆う一同。
しばらくして、目を開けると、光は収まり何事もなかったかのような静けさに包まれていた。
「あれは、柘榴様とシャドウ様……?」
「封印できたってこと?」
「……多分……」
3人で顔を見合わせる。
すると、引き戸がガラリと開く音がした。
「戻った。くそ、まじで面倒だった」
「まあまあ、被害は最小限に抑えられましたし」
柘榴とシャドウがそんなことを言いながら、リビングへ入ってくる。
「柘榴様、シャドウ様……!」
ひよりが案じるように声をかけると、柘榴の頬が緩んだ。
「ひより、無事だったか。こっちは全部終わった」
「私は大丈夫です。他の方も……」
「姫島さん!」
シャドウがリビングに横たわるアスミを見て、慌てて駆け寄る。
抱き上げると、温かなぬくもりと安定した呼吸が伝わってきた。
「……特に異常はありませんね……あぁ、よかった……」
「花音様と狐優様が、助けて下さったのですよ」
その言葉に、シャドウは花音と狐優を交互に見る。
「本当にありがとうございます……! もうなんと言ったらいいのか……」
「気にしないで!」
「……うん……」
笑顔で答える花音と、どこは気まずそうに言う狐優。
そんな2人を見て、シャドウはまた安堵のため息をついた。