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相合い傘。

第1章 ダイヤのA 御幸一也



夜―。

俺は梅本さんと約束をしたグラウンドに来ていた




梅本「御幸君ごめんっ!」

御幸「梅本さん、俺も今きたとこだから」



そんな会話をしていると、空から雨が降り始めた



梅本「降ってきたね・・・」

御幸「傘持ってきてねーのに」

梅本「私、持ってるから入って」

御幸「あ、ありがとう」




それほど大きな傘ではないけど、雨に濡れるよりはましだ

俺は遠慮なく入れてもらうことにした




御幸「で・・・、話って?」

梅本「あぁ、うん。こんなの私の口から言うのもどうかと思ったんだけど、と御幸君の事見てたらいてもたってもいられなくて」

御幸「え?」

梅本「見てて凄く・・・イライラするんだよね」

御幸「えっ!?」梅本さん・・・?

梅本「だって・・・・・・・・なのに」

御幸「ごめん、雨の音で聞こえなかった」




雨音が急に激しくなり始めた

梅本さんは今何て言ったんだろう

この雨音でも聞き取れるように、俺は少しかがんで梅本さんに耳を近づけた

梅本さんも俺に聞こえるように少し背伸びをして耳元で大きな声で話す




梅本「だって・・」 -バサッ―



梅本さんがもう一度何かを伝えようとしたとき近くで何かが落ちる音がした



御幸「!!」

梅本「!!!?」



は今まで見せたことのない、辛い顔をしていた

俺の胸は激しく締め付けた

は俺と梅本さんから逃げるように走り去る



梅本「!!ちょっと待って!!」

御幸「これ・・・」




が落とした袋にはおにぎりが入っていた

床に落ちて形は酷く崩れている



梅本「それっ!!御幸君の為に作ったんだよ!!」

御幸「俺のため・・・?」

梅本「もう言った方が早いと思ってたけど・・・やっぱりダメだ!!御幸君!!」

御幸「?」

梅本「早く追いかけて!!絶対に御幸君のこと待ってるから!!多分、私たちの事誤解しちゃってるし・・・」

御幸「俺たちの事誤解してるって」

梅本「考えるのは後っ!!早く追いかけて!!それでちゃんと御幸君の気持ちを伝えてあげて!!」




梅本さんに背中を押され

俺はようやく走りだした

見えなくなってしまったを必死で追いかけた
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