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相合い傘。

第1章 ダイヤのA 御幸一也



それから数日雨は続いた



御幸「やっとあがったか」



雨があがったのは練習も終わってからだったけど・・・

ずっと外での練習ができていなかったせいだろう

俺は夜のグラウンドに足を踏み入れた

いくら雨があがったとは言え、このグラウンドじゃ練習キツイな・・・

明日は整備からだな




「あれ?御幸先輩?」

御幸「!」




誰も居ないと思っていたグラウンドに俺を呼ぶ声が聞こえて少し驚いた

振り返ると向こうも驚いた顔をしてこっちを見ていた




御幸「・・・吉川さん?」

吉川「はい!すみません!驚かせてしまって!」

御幸「こんな時間に何やってんだよ?」

吉川「え、えっとそのぉ〜・・・」




言いにくいそうにしている吉川さんには悪いけど、右手にタオル左手にボールを持っている姿に直ぐボールを磨いてることに気づいた





御幸「何でこんな時間にボールなんて磨いてるの?」

吉川「なっ、何で私がボール磨いてるのわかったんですか!?」

御幸「いや、手に持ってもる物見たらわかる」

吉川「ああっ!・・・・私も何か役に立ちたくて」

御幸「?」

吉川「私、いつもドジばっかりで皆さんにご迷惑ばかりかけてしまって・・・でも!何があってもめげずに前向きに頑張っている沢村君を見て、私も何かやらなきゃと思ったんです!!」





あの単純でバカな沢村が吉川さんをこんな風におもわせるなんて・・・・

けど確かにあいつのバカで真っ直ぐポジティブなとこはなかなか真似できるもんじゃない





御幸「ボール磨いてくれるのは有り難いけど、今日はもう遅いしそのくらいにしておきなよ」

吉川「あっ、でももう少しなので!!」

御幸「そっか・・・じゃあほどほどに頑張って」

吉川「はい!ありがとうございます!」





手伝ってやるべきだったかな?

正直、だったら「仕方ねーな」って言いつつ手伝ってやるんだろうけど・・・

他の女子に、ましてや沢村を想って頑張ってる彼女に俺が手伝ってやるのはなんか違うしな

そういやさっき一瞬の声が聞こえた気がしたけど・・・



気のせいか
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