第1章 ダイヤのA 御幸一也
俺の母親は早くに亡くなり、高校行くまでは親父と二人での生活をしていた
家が隣同士で、幼い頃からずっと一緒のは、いつも俺の世話をやく
そんなうまくもないのにご飯を作りにきたり、ユニフォームを洗ってくれたりもした
俺の母親代わりになろうと必死になってるけど、俺はそんなの望んでない
そもそも、俺の方が器用だし
こんな不器用な奴が俺の母親になったら俺が苦労する
・・・・・でも
一つだけ感謝してることがある
あいつはきっと覚えてないだろうけど、小学生の頃一緒に観に行った野球の試合
10回裏 1OUT 満塁
バッターが打ち放ったボールはライトフライ
三塁から走り出すランナー
その時、顔に付けていたキャッチャーマスクを勢いよく外し捨て、誰よりも大きな声でボールを呼ぶキャッチャー
「バックホーーーーム!!」
ライトからの送球は綺麗に真っ直ぐとキャッチャーに届いた
「アウトォォオ」
審判の声が響きわたる
凄くドキドキしたスゲェと思った
俺も野球がやってみたいと思った
そんな俺の袖をギュッと握りしめてが言ったんだ
「キャッチャーって凄いんだね!!・・・カッコイィ・・・」
その言葉があったからこそ・・・
今の俺がいる