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相合い傘。

第1章 ダイヤのA 御幸一也


私と一也の家は都会から少し外れた町にあり

近所には小さなスーパーや「御幸スチール」という町工場がある

「御幸スチール」は名前の通り、一也のお父さんが経営している

一也のお母さんは私たちが幼い頃に亡くなり

一也はずっとお父さんと二人で暮らしている

何をきっかけで始めたのか

小学生の頃から始めた野球は、みるみる成長をみせ

中学一年では即レギュラーを取れるほどだった

周りからは天才と呼ばれ

高校からの推薦もたくさんきていた

一也は少し考えが捻くれてて

キャッチャーを始めたのも、皆がやりたがらないポジションに魅力を感じたから

昔はもっと純粋で真っ直ぐだった・・・(はず)の一也は、キャッチャーをはじめてからだろうか

みるみる性格の悪さを発揮していった

そんな一也に誘われて、小学生の頃からずっと一也のチームのマネージャーとして勤めてきた

高校もそう

「どこ行くか決めてねーんなら青道こいよ」

一也のその一言で、私は青道に行くことを決めた

だからと言って、私が一也を好きなわけではない

確かに私たちは一緒に居るのが当たり前で

ずっと一緒に居るものだと・・・そう思ってたけど

でも、お互いが成長するにつれてずっと一緒にはいられないんだって気づいた

私と一也は幼馴染で腐れ縁で、兄妹のように仲が良い

でも、私たちは恋人じゃない

結婚はしない

私たちはいずれ離れ離れになる関係・・・




だからかもしれない

高校生活3年間は、もっと一也と一緒に居たい

だって高校を卒業してしまえばきっと・・・

こんな風に一緒には居られない
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