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相合い傘。

第1章 ダイヤのA 御幸一也


私と一也は先輩の後ろ姿をいつまでも見送っていた
亮介先輩の姿が見えなくなると、一也は私の名を呼んだ



御幸「」

「はっはいぃっ」



さっき一也が言ってくれた言葉が未だ信じられなくて

私の声はドキドキのせいで上ずってしまった

そんな私を見て一也はいつものように笑う



御幸「何だよその返事。さ、俺らも戻ろうぜ」

「う、うん・・・」



一也は道に転げ落ちたままの傘を拾って私が濡れないようにさしてくれた

・・・・・相合い傘・・・・・

小さい頃はよくしてたけど、久しぶりにこうして横に並んで歩くと・・・

一也、大きくなったんだな

身長なんて全然私よりも大きくて

手なんて男の子の手だ

一也、男の子なんだ・・・・

そう意識した瞬間、触れ合っている肩がなんだかむずがゆく

私の心臓はさっきよりも益々高鳴った

ドキドキがうるさすぎて・・・これじゃ一也に聞こえちゃう

一也に聞こえないように私は少し距離を離して歩いた




御幸「もっと近くにこないと濡れるだろ」

「も、もうビショビショだし!私の事は気にしなくていいから!」




そう伝えると、一也は傘を持っていない方の手で私を引き寄せた




「わっ」

御幸「お前、俺のこと好きなんだろ?」



私のドキドキなんてお見通しかのように、一也は意地悪な顔を見せる



「そんなこと一言も言ってない!!」

御幸「あんなにヤキモチやいてたくせに?」

「あれはちがっ・・・」

御幸「違うんだ?」

「・・・・・・・違わないケド・・・」




私の言葉に一也は嬉しそうに笑う
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