第1章 ダイヤのA 御幸一也
亮介先輩の後ろ姿を見送ったあと、そぉっと一也の方に目線を向けた
一也はずっと私を見ていたのか、私と目が合うと真っ直ぐこちらに歩いてきた
あれ・・・何か一也・・・・怒ってる?
私の目の前で立ち止まったかと思うと
御幸「バカかお前は!!!」
「!!!」
突然怒られて、私は驚きで目を見開いた
「ごめん・・・って何に怒ってるの!?」
御幸「こんな時間に何やってんだよ!亮さんに良いように流されやがって」
「ちょっ!!別に流されたわけじゃ・・・もとあといえば誰のせいでこんな!!」
御幸「はぁ!?俺のせいだって言いたいのかよ」
「そうだよ・・・一也だって・・・・一也だってこのあいだ春乃と一緒に居たじゃん!!」
御幸「はぁ?!」
あっ・・・・
こんな勢いで聞きたかったことじゃなかったのに・・・
ずっと怖くて聞けなかった答え
私はこんな喧嘩の勢いで聞いてしまうのかと思うと
やっぱりその答えを聞く勇気はとても出てこなかった
「もう一也なんて知らないっ!!バカッ!!」
私は暴言だけを吐き残し、一也の前から走り去った
また・・・私は一也から逃げ出した