第1章 ダイヤのA 御幸一也
その後も、私は一也に真実を聞けないままだった
あの夜見た影は・・・
もしかしたら私の見間違いだったのかもしれない
いやいや、一也が誰と付き合っていようと自由だし
私と一也はただの腐れ縁なのだから・・・
ただ一緒にいられる最後の三年間をともに過ごしたかっただけ
御幸「よぉ」
「一也・・・今日もお疲れ様」
御幸「お前もな」
「どう?降谷くんと沢村くんの調子は」
御幸「まだまだだな!」
「相変わらず厳しいね」
御幸「あいつらはまだまだ伸びる・・・けど、降谷はスタミナ、沢村は自分の役割、それを自分でわかって乗り越えねー限り今以上の成長は無理だな」
「そっか。けど、何だか楽しそうだね一也」
御幸「まーな!からかいがいのある一年でよ」
「あぁ・・・相変わらずだね本当」
御幸「まぁ、お前からかってんのが一番だけどな」
「もう!!私はからかわれたって嬉しくないんだからね!!」
私が怒っているのなんてお構いなしに
一也はケラケラと笑う
「一也とこうして一緒に過ごせるのも残り2年弱だねぇ」
御幸「だなぁ・・・」
「これからも一緒」そんな言葉
私たち二人からは出てこない
お互いに離れ離れになるのがわかっているからだ
「一也ってさ・・・」
御幸「ん?」
「・・・好きな子・・・・居るの?」
御幸「はぁ?何だよ急に」
「いやぁ・・・何となく」
ずっと一也に聞きたかったこと・・・
やっと聞けた
けど、やっぱり答えを聞くのが怖い
一也が居ると答えたら、きっとそれは・・・・
「ごめん!!やっぱい「居るよ・・・・・」