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夢幻花と夕暮れ

第2章 初めての依頼(ミッション)


「あっ、あああんっ!!やめ、てっ…!」

眼前に広がるのは、目を塞ぎたくなるような光景。
きっとここは、例の盗賊団のアジトだろう…。
そして盗賊の男たちが女を輪姦している。
一人の女につき大体、3、4人。
そんな光景がこの広間のあちらこちらで見られた。

「フェリア、戦う準備は出来ていますか?」
「…勿論だ。」
「じゃあ、行きましょうか。
男たちが丸腰の今は好機でしょうから。」

レイシスの、いつになく冷たい声。
それを合図に、二人は広間の中央へと飛び出して行った。



盗賊たちを殲滅させるのに、そう時間はかからなかった。
だがしかし、それは10人やそっとの話であって、奥にまだいるのは確実である。
加えて奥にはこの盗賊団の頭がいるだろう。
まずは先程まで強姦されていた女たちを逃がし、二人は再び戦闘体制へ入る。

「フェリア、無事ですか?」
「ああ、勿論。そういうレイシスは?」
「かすり傷だって受けてはいませんよ。
それより…」

奥から現れたのは、先程の倍はあるだろう数の盗賊共。

「オイ、お前らか!
俺らの仲間を殺したのは!」
「生きて帰れると思うなよ!」

そう言って、盗賊たちが走ってくる。
今度はみな手に各々の武器を持って。

「…いくぞ。」
今度はフェリアの言葉を合図に、二人も走り出した。

カンッ、カンッ、カンッ。
金属の擦れる音が、狭い洞窟内にひっきりなしに響く。
百戦練磨のフェリアとはいえ、一度に10人以上も相手にするのは初めてであった。
あと4人、あと3人…!

“私は誰よりも強くなる。次は大切な人を、自分の手で守れるように…!”

フェリアは幼い頃の誓いを胸に、両手に持った剣を振り回した。

フェリアが全員を倒したのとほぼ同時くらいに、レイシスも戦いを終えた。

「はあっ、はあっ、はあっ…」

その場にへたり込むフェリアの方へと、レイシスが歩いてくる。

「フェリア、お疲れ様でした。
どうやら盗賊たちの頭は、抜け穴を通って逃げたようです。」
「そう、か…。良かった…。
レイシス、お前もお疲れ様。」
「では、本来の目的を達成しに行きましょうか。鉄鉱石は目の前です。」

レイシスの声に呼応して、フェリアも立ち上がった。
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