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夢幻花と夕暮れ

第1章 出会いは突然に…?


心地良い陽射しと共に、フェリアは目を覚ました。
今日もまた、いつもと変わらぬ1日が始まる…
いや、今日は特別な日かもしれない。
何故なら…

「おはよう、フェリア」
「ああ、おはよう」

フェリアの隣には、この男-といってもまだ17歳だが-、レイシスがいるからである。



レイシスと出会ったのは、つい昨日のことだった。
商業で栄えている港街セルゲリアで行われた決闘場でのことである。
フェリアはこの街に立ち寄る度にこの決闘に参加していたが、女ながらに無敗を誇っていたのだ-つい昨日までは。
トーナメントを勝ち抜いた決勝戦の舞台でフェリアを待っていた男こそ、このレイシスだった。
別段背が高いわけでもなく、筋肉隆々というわけでもないレイシスを見て、フェリアは思った、勝てる-と。
今思えば、この油断が一番の敗因だったのかもしれない。
決闘が始まってしばらくは膠着状態が続いていた。
それを壊して放ったフェリアの回し蹴りを-
レイシスは軽々と躱し、逆にフェリアの背後を取り…ゲームセット。

「そん、なっ…」

フェリアは人生初の敗北を喫してしまったのであった。
挨拶を済ませ、そそくさと帰ろうとするフェリアを呼び止めたのは、その男の声だった。

「フェリアさん、ですよね?」
「…ああ。」
「今回の決闘で、俺は勝者、貴女は敗者です。ですから…」


「俺と一緒に来てくれませんか?」


それから一夜明けて。
フェリアは思う。
なぜこの男について行ったのか…と。

ともあれフェリアの新しい日々が始まりの鐘を鳴らしたのだった。
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