第12章 好き
「菅原先輩ーーー!!おはようございます!」
体育館へ向かう途中、日向に声をかけられる。
「おはようって、もー昼だぞ?笑」
「あっ!そっか。」
やっぱ、土曜日の昼となると学校に来ているのは部活に所属している生徒くらいか。
少し安心したかも。
「菅原先輩どーかしたんすか?なんか、いつもと違うような....」
日向が心配そうに俺の顔を覗き込む。
「いや、なんでもないんだ。さ、早く部活行くべ!」
そう言って体育館へ向かった。
「よし、じゃ、この辺で休憩だ。あ、水分補給忘れんなよ。」
部活も終盤に差し掛かった夕方。
「ふー。暑いなー。ちょっと風当たってくる。」
そう言って体育館を出る。
涼しいとまではいかないが、自然の風が心地いい。
「.......菅原??」
突如、 名前を呼ばれて驚く。
........この声って...。
勢いよく後ろを振り向く。
「....... しずく.....?...なんで、今日土曜....!!」
今朝の出来事がフラッシュバックする。
「担任に呼び出され...」
顔がどんどん火照っていく。
しずくが最後まで言い終わる前に走り出す。
「ごめん//!!部活中だから行くわ///!!!」