第5章 溶解
菅原side
今日はやっと部活が、できる。
やっとといっても、昨日1日潰れただけだけど。
身体がうずうずしてついいつもより早く家を出てしまった。
他の奴らもう来てるかな?
そんなことを考えながら校門をくぐると前に予想外の人物が歩いていた。
「 桜山ー!早いな。どーしたんだ?」
「別に。ただのきまぐれ。」
そう言いながら 桜山は足元をキョロキョロ見回している。
「........もしかして、これだべ?」
そう言って俺はピアスをとり出す。
「!それ、どこで?」
「昨日、落としてたぞ。届けるにも家知らねーし。連絡先も知らなかったから。今日渡そうと思って。」
「そー....なんだ。..........................あり...が、と。」
....もしかして、赤くなってる?
「んー? 桜山なんか言ったか?」
「だから.....ありがとっ!!」
あまりに素直だったので少し意地悪をしてしまった。
スカートの裾を握りながらそう言った。
「それだけ。ピアス、早くかして。」
桜山にピアスを渡す。
「....部活、......頑張って。」
そう言って 桜山は行ってしまう。
なんか、、、めっちゃかわいかったぞ。
「あ、 桜山ー!どーせ、こんな早くても暇だろー。部活、見にこない?」
桜山に聞こえるように大きな声で叫ぶ。
俺の声が聞こえたようで 桜山が振り返る。
口で言うのが嫌になったのか腕で大きくバツをつくる。