第25章 臨時マネージャー0日目
「 桜山さん。とりあえず荷物はこっちに置いてもらって。ジャージとか持ってる?なければ私の予備のもの貸すけど。」
眼鏡の女の人に声をかけられる。
この人、見たことある。
3年生のマネージャーで、確かしみずって呼ばれてた。
「....学校の、、着ます。」
同級生とやっとうまく話せるようになったところなのに、先輩と後輩なんてどうやって話せばいいのかわからない。
1年生の子だってマネージャー歴としては先輩な訳だし、敬語で話したほうがいいのだろうか。
そもそも私は臨時な訳でどこまで部のこととか部員の子に関わっていいのだろう。
「 桜山さん、マネージャーよろしくね。私、清水潔子といいます。」
「い、1年の谷地です!よろしくお願いします!」
「....わ、私は2年の、 桜山...しずくです。バレーとか、体育でやったくらいだしわからないことばかりです。が、頑張ります。よろしくお願いします!」
そう言って頭を下げる。
今日は、見学と、清水先輩と谷地さんにマネージャーの仕事内容を教えてもらった。
やっぱり二階から見学しているのとは何もかもが違った。
いつも馬鹿やってる田中がカッコよく見えた程だ。
私はここでうまくやっていけるのだろうか。
日も暮れ、部活終了時刻となる。
物品の片付けや掃除に入る。
片付けの人手も足りているようで、1年生の谷地さんと清水先輩を待っている。
会話がない。何か声をかけた方がいいのかな。
でも、迷惑だったらどうしよう。
「あの〜、」
そんなことを考えていると谷地さんの方から声をかけられる。
「なんですか?」
「ひゃ!い、いえ!!えっと、なんでもないであります!!!」
....あります?
怖がらせてしまったのだろうか。
「....えっと、怖がらせてしまったなら、ごめんなさい。でも、何かあったのなら教えてくれた方がありがたい....です。」