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colorful step

第12章 音楽祭の始まり


~音楽祭ホール会場~

一曲目の演奏者が変更になったという
アナウンスが会場に流れる。

急な代理演奏に、会場内がざわついている。

黄瀬「え?優希っちがピアノ演奏?」

隣に、座ってる母さんも優希っちの名前に
反応してくる。

黄母「あら。優希ちゃんて、もしかして?」

黄瀬「うん。優希っちが代理演奏するみたい
っスね。急なことみたいだけど、大丈夫かなぁ。」

黄母「そうよね。しかも一曲目の代理演奏なんて、プレッシャーに負けてないといいけど。心配よねぇ。優希ちゃん、ピアノもひけるのね~。」

黄瀬「うわぁ。ダメだ~。
何か、こっちが緊張してきたっスよ。」

黄母「見守ることしか出来ないのが、もどかしいわね。」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

桃井「嘘でしょ!?こんな急に?優希ちゃんが、一曲目の代理でピアノ演奏だって~。
雪菜先輩に、何があったのよ~。」

興奮気味なのか、バシバシ肩を叩いてくる。

青峰「さつき、痛ぇよ。少し落ち着けよ。
せっかくのドレスが台無しだぜ。」

桃井「そうだけど。大ちゃんは、優希ちゃん
心配になんないの?」

青峰「そんなことねぇけど。俺なりに、
気にしてるって。だけど、優希だぜ?
あいつのことだ、どんな困難も自分の力で
乗り越えるんじゃねぇの?あいつの度胸は、並大抵じゃねぇと思うぞ。」

桃井「そうだね。優希ちゃんだもんね。
ピアノも、すっごい弾けちゃうのカモしんないし。あぁ。今度は、楽しみになってきた。」

青峰「楽しみか。そうだな。」

クラッシック音楽は、眠くなるだけで。
あんまり興味なかったけど。
優希の演奏は、聴いてみたいかもしれねぇ。

桃井「大ちゃんのこと。
ほ~んのちょっと見直した。」

青峰「は?何だよ急に。」

桃井「大ちゃんも、ちゃんと人の事みてる
んだなぁって。感心、感心。」

青峰「さつき。
俺の事、バカにしてんのかよ。」

桃井「ねぇ。
優希ちゃんの事、好きでしょ?」

青峰「はぁ。な、なに言い出すんだよ。」

桃井「照れなくっていいのに~。」

青峰「誰がだよ。照れてねぇからな。」

桃井「はい、はい。」

(耳を赤く染めて、睨まれたって。
ちっとも説得力ないのに。)



~アナウンス~

まもなく開演いたします。

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