第12章 音楽祭の始まり
~音楽祭の舞台裏~
ガタンっ!?
現在、私。姫野優希は、プチパニック!
赤司「優希、少し落ち着こうか。」
『そう、だね。ありがと。征くん。』
私は、深呼吸をして少し落ち着きを取りもどした。
だって、雪菜先輩ったらね。
雪菜「ごめん。私、ピアノ演奏出来ないから。優希、代わりよろしく!」
ねぇ?いきなり過ぎるよね!?
無責任なことする先輩じゃないのは、
知ってるから。
『はい?雪菜先輩っ!?どうゆうことです?
何か、理由があるんですよね?』
雪菜「実はね。手をケガしちゃって。だから、優希が私の代わりに演奏して欲しいなぁ。って、頼んでるの!」
『え!ケガ!大丈夫なんですか?』
雪菜「大丈夫よ。一週間もすれば、治るから。心配しない!で、代理引きうけてくれる?」
そういう彼女は、仙石雪菜。中学3年生。
帝光中学の生徒会長にして。
男子バスケ部の有能なマネジャー。
彼女は、いつも堂々としている。
行動力があって、何より人の心を掴むのが
すごく上手だと思う。
だから、男女問わず人気があって、とても頼りにされてる。
私は、そんな雪菜先輩を尊敬している。
雪菜先輩と仲良くなったのは、音楽祭の打合せがきっかけだった。
雪菜先輩に連れられてバスケ部に
見学に行ったこともある。
なんだかんだ、マネジャーのお手伝いをさせられている。
今回のケガのことだってそう。
日課の朝のランニング途中。
階段から落ちそうになった妊婦さんを助けて、ちょっと受け身を取り損なったらしく、手首を捻挫したようだ。
やっぱりピアノの演奏は出来ない状態みたい。病院の先生から、しばらく安静にするように言われたそうだ。
雪菜先輩から、お願いされたら。期待に応えたくなる。だけど、代理が私でいいのか不安にもなる。
何てったって、音楽祭の最初の演奏。
かなり重要な場面だよ?
『私が、最初の演奏者ですよ?
皆さん、私に任せるのでいいんでしょうか?練習するような時間もないですし。
この曲が、得意な人いませんか?』
雪菜「他のピアノひけるメンバーにはもちろん聞いた。残念ながら、承諾者がいなかったのよ。ぶっつけ本番なんて、無茶言ってるのはわかってる。優希お願い。あなたしか頼める人いないの。」